商品とはどのようなものでしょうか?
今回のテーマは『商品とは?』です。
いきなり変なことを聞くねぇ。と思われましたか。
「商品」ってなんですか。われわれの目に飛び込んでくるモノ。ほとんどが「商品」ですよね。
ご自分が消費者であるとしたら、「お金を払って買って来たモノ」は「商品」ですよね。
工場などで生産されたモノ。流通経路を通って自分の手元に届いたモノ。
工場などで生産されなくても、自然の作物でも。例えばお米、果物、花。自然の物でも人が手をかけ、流通させ消費者が対価を払って手に入れたモノは「商品」ですね。
また、「モノ」として手元に残らないものも「商品」になり得ますね。
例えば、カフェのコーヒー、ケーキ。例えば、お寿司屋さんのお寿司。例えば、映画館の映画。例えば、公共交通機関での移動。例えば、教育。例えば、コンサルティング、カウンセリング。
あらゆるものが対価を伴って「商品」になりますね。(目に見えないものは「サービス」ということもありますが)
では、消費者の皆さんは、何に対価を支払っているのでしょうか。「商品」そのものでしょうか?
「商品は消費者の問題を解決するために存在する。」と言われます。
(かんき出版:北岡秀紀著「小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方」より)
ということは、「商品」とはお客様の問題を解決する手段ということになります。
では、その問題とはなにでしょうか?
『ニーズ』と『ウォンツ』という言葉を聞いたことがあるでしょう。
商品開発の現場でよく言われていたのは『ニーズ』を充たすというコンセプトです。難しい言葉でいうと「未充足の充足」がキーワードと教えられました。
ところで、わが国の近代の元号の推移は「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」、「令和」ですね。現代としてみても「昭和」、「平成」、「令和」でしょうか。
わが国は1945年の第二次世界大戦の終結を敗戦というかたちで迎えました。そして敗戦後、アジアの工場として反共の砦としてアメリカ資本主義の発展を支える市場として復興を進めていくこととなりました。
やがて高度成長期を迎え、石油ショックを経て、バブル経済を経験し、バブルが崩壊し、回復して後またリーマンショックを経験し…わたしたちの生活は激変してますよ。
例えば、終戦直後は非常なモノ不足でした。ですから闇市が形成され、モノを並べれば飛ぶように売れた。しかも売り手市場ですから価格は売り手の思い通りでした。生きていくために必要な商品が絶対的に不足していたのです。
高度成長期に入って、アメリカナイズされていく生活様式の中で洗濯板は洗濯機に、箒は掃除機に。洗濯をしなくちゃ、掃除をしなくちゃという問題を解決する手段が変わってきたんですね。
今は、どうですか。
生活に必要なモノで不足しているものありますか?ほとんど不足しているモノってないのではないでしょうか。
それなのにわたしたちは購入を続けていますね。あるのに、なぜ?
使ってなくなれば(消費財といいます)次を買う。っていうことはありますね。そうでなくても買い替えることってあるじゃないですか。でも、先ほどの洗濯板から洗濯機。箒から掃除機って?
洗濯する手段、掃除する手段は以前に入手していたのになぜ洗濯機を、掃除機を買ったのでしょうか?
例えば、日本人の主食であるお米。終戦直後はヤミ米なんていうモノが「商品」でした。今はブランド米が「商品」ですね。
さぁ、いかがですか。「商品」ってなんなんでしょうかね?
「お客様の問題を解決する手段」という定義は変わっていないのですが、お客様の「問題」が変わってきているのですね。
これを「ニーズ」と呼んでいるわけですが、終戦直後の「ニーズ」から最近では、どうやら「ウォンツ」に変わっているようです。
ですから、お客様が買っている「商品」は『モノ』からその「商品」を購入し、消費して得られる『価値』に変わっているようです。